2017年1月1日日曜日

町長年頭のあいさつ【和泊町】


あけましておめでとうございます。

 輝かしい希望に満ちた新春を健やかにお迎えのことと、心からお喜び申しあげます。

また、日ごろから町政全般に対し、温かい御理解と御協力を賜り、衷心より深く感謝申し上げます。

 現在、平成27年度に策定した新庁舎建設基本構想に基づいて、新庁舎建設事業作業を進めているところです。

 昨年、建設事業者の募集段階において、町民の皆様から様々な御意見・御提言をいただきましたので、施設規模等についての見直しを行なったうえで、先般建設事業者からの提案書を受け付けたところです。

 現在、事業計画提案書の内容等について、詳細な精査・検討を行うとともに庁舎内に設置した庁舎建設プロジェクトチームにおいても配置計画や必要な機能等について検討を行っており、また、並行して選定委員会による審査に向けて評価委員と選定委員の皆様への研修会を開催しながら作業を進めているところであります。

 今後のスケジュールといたしましては、事業者選定委員会での審査を経て、決定後に事業者との基本協定の締結、その後、議会での議決をいただけましたら事業契約締結となります。

 平成2910月の工事着工、平成3012月の施設引渡しに向けて、慎重かつ迅速に取組んでまいりますので、町民の皆様の御理解、御協力をよろしくお願い申し上げます。 

 さらには、今後も「町民が輝き、活力と潤いと魅力あふれる花のまち」の実現のため、町民一人一人の声に耳を傾けつつ、豊かで住みよいまちづくりを目指して、真摯な態度で行政推進に取り組んでまいりたいと存じますので、より一層の御理解と御協力をお願い申し上げます。

 近年全国的に台風・暴雨・火山の噴火・地震など自然災害が多発し、農作物をはじめ生活基盤等に甚大な被害を被っております。

 幸いなことに本町においては、大きな自然災害もなく農作物が順調に生育し、花き・野菜ともに概ね安定単価が見込まれており、さとうきびについては12月1日より製糖圧搾が始まり、3年続けて豊作となる見込みであります。

 畜産についても慢性的な素牛不足と和牛のひきあいが強い事を要因とした子牛価格の高値が続いており、さらに畜産クラスター事業が開始されて、生産農家を後押ししております。

 これからも自然災害に強い和泊農業を推進するため、適地適作を基本とした地域の特性を活かした農業に加えて畑かん営農を充実し、奄振事業を活用した輸送コスト支援事業や施設整備事業を継続して行い、大筋合意されたTPPについても不透明を極める国際情勢を注視しつつ、その関連事業を粛々と取り組み、生産農家が安心・安全・安定できる和泊農業を構築してまいります。

 区画整理事業やかんがい排水事業による農業基盤整備においては、国営かんがい排水事業の通水が開始され、根折地区と畦布地区では農作物への散水が行われております。

今後も更なる畑かん施設の整備並びに畑かん営農の推進を図るとともに、町内全域で安定的な用水の確保により、農業生産性の向上と農業経営の安定化に努めてまいります。

 保健福祉については、町民の心と体の健康づくりの推進をはじめ、平成29年度から、地域の実情に応じた介護予防や生活支援を実施するため、介護予防・日常生活支援総合事業を実施して、医療、介護、介護予防、生活支援を一体的に提供する和泊町独自の地域包括ケアシステムの実現に取り組んでまいります。

 また、「和泊町障害者計画及び第4期障害福祉計画」及び「和泊町高齢者保健福祉計画及び第6期介護保険事業計画」が、平成29年度に計画期間の最終年度を迎えることから、これらの計画における事業実績、実施状況及び効果等について評価を行い、次期計画の策定に活かすとともに、支援を必要としている人や、高齢者や障がいのある人が、住み慣れた地域でいきいきと自立した暮らしを続けていけるよう、各種施策の推進に努めてまいります。

 商工業については、商工会の取組として、小規模事業者の経営の発達及び改善を地域ぐるみで面的に支援する事業が導入され、推進体制が確立されました。今後とも商工会と連携を密にし、空き店舗利活用の推進等、商工業の振興発展に支援してまいります。

 観光業については、おきのえらぶ島観光協会が設立され、様々な事業を導入し主体的に観光振興に取組んでおります。

今後、NHK大河ドラマ「西郷どん」の放映や、奄美群島の世界自然遺産登録等により、交流人口の増加が見込まれる事から、尚一層、関係機関で連携し受入れ体制の整備に努めてまいります。

 有線テレビについては、民間事業者にテレビ番組の取材・編集・放送業務を委託しましたが、年々、番組内容も充実し、町民が主役の番組へと進化しており、今後、より魅力ある番組になるよう支援して参ります。

 「環境にやさしい循環型エコの町づくり」については、地域資源やエネルギーの循環等について調査等を推進してまいりたいと考えております。

 道路事業については、「安全で利便性に富んだ道路」を目標とし、通学路を優先に現道拡幅や歩道設置、舗装修繕工事を進めております。また、町内に十二箇所ある橋梁の修繕も順次計画しており、未然の事故防止と長寿命化によるライフサイクルコストの低減を実現するよう取り組んで参ります。

 住宅事業については、町内に散在する危険廃屋の解体を含めた空き家対策を推進する外、塩害や老朽化した町営住宅の改修等により、住宅の長寿命化に努めて参ります。

 下水道事業においては、平成27年度から適正な維持管理やライフサイクルコストの低減に努めるため、東部地区と北部地区の施設の更新事業を実施しており、平成30年度事業完了を目指しております。

また、生活排水の水質汚濁を防止し、公共用水域の水質保全と快適な生活環境の確保のため、浄化槽設置事業推進と下水道施設への接続推進に努めてまいります。

 防災対策については、昨年同様、避難所施設の充実を図っていくほか、「自助・共助」を目的とした自主的な避難訓練等の実施について、自主防災組織と消防団員が密に連携を深め、自主防災組織の活動が充実できるよう、「公助」により支援していきたいと考えております。

また、昨年は台風等による被害は発生しておりませんが、9月26日に震度4の地震が発生する等予断を許さない状況にあり、併せて、近年における台風の大型化や、猛烈化については今後も懸念されることから、早めの気象情報の提供と対策を行い、被害軽減に努めてまいります。

 結びになりますが、輝かしい新年が町民並びに全国各地で御活躍の皆様にとって、幸福な年でありますよう心から御祈念申し上げ、年頭の挨拶といたします。



平成29年 元旦
和泊町長 伊地知 実